子どもに多い「マイコプラズマ肺炎」
3章 「マイコプラズマ肺炎」の対処法
マイコプラズマ肺炎かも?と思ったら、発症してしまったら
「もしかしてマイコプラズマ肺炎かも?」と思ったら、発症してしまったら、という時に役立つ対処法をご紹介します。
保険適用での検査可能に
2013年8月からLAMP法検査が保険診療で受けられるようになりました。
LAMP法はマイコプラズマの特徴的なDNAを直接検出する、信頼性の高い遺伝子検査です。検査法は採血ではなく咽頭スワブ(柄の長い綿棒状のスティック。ぬぐい液とも呼ばれる)を使って検出するので、アーと大きく口を開けるだけで済みます。学童児に多い疾患のため、痛くない検査は非常に重要です。
診断でマイコプラズマが検出されれば、抗生剤を投与して治療を開始します。
経過観察の注意点
マイコプラズマ肺炎は、抗生剤を服用しても症状が改善しないケースがあるため、注意が必要です。
近年、マイコプラズマの耐性菌(※豆知識 参照)が大きな問題となっており、最近流行しているマイコプラズマ肺炎は、以前は有効だった抗生剤が効きづらくなっている場合があります。
抗生剤を服用後、48時間経っても熱が下がらない場合は、抗生剤の種類を変える必要がありますので、再度医師の診断を受けましょう。
豆知識 耐性菌とは
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抗生物質などの薬剤に耐性のある菌のことです。 細菌などを退治するために抗生剤を投与しすぎた結果、菌が変異し、抗生剤が効かない耐性菌となってしまうことがあります。 マイコプラズマでは近年、耐性菌の報告が多くなされています。 |
咳の対策
発症後、熱は下がっても咳だけが長く続き、1カ月近く続いてしまうことがあります。
咳のし過ぎで気管支を傷つけてしまい、痰に血が混じることもあります。
咳の症状が出たら、以下の対策をとりましょう。
- 水分をたくさんとる
- 背中を軽く叩いてやる
- 咳止めをつかう
- 加湿器などで湿度を上げる(※乾いた咳が出るため)
予防法
マイコプラズマ肺炎は抗生剤で治りますが、予防が重要です。
十分な睡眠と栄養摂取、うがい手洗いをしましょう。
家族感染をしやすいので、家族内でもうがい手洗いをまめに行いましょう。
なるべく人ごみを避けることも効果的です。
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1章 肺炎の基礎知識
2章 「マイコプラズマ肺炎」の基礎知識
3章 「マイコプラズマ肺炎」の対処法
4章 まとめ
子どもに多い「マイコプラズマ肺炎」