健康は正しい情報から! 医師が教える「健康を意識した生活習慣」
2章 「睡眠・食事・運動」の押さえるべきポイント
長生きの秘訣は、睡眠時間のコントロールから
睡眠の質の向上は健康には不可欠
睡眠には、体を休ませるという効果はもちろん、感染症やがんに対抗する免疫力を上げる、糖尿病や高血圧、心筋梗塞といった生活習慣病のリスクを減らすという効果も期待できます。
睡眠時間に関しては、「ナポレオン睡眠」といった非常に短い睡眠をよしとする説が話題になりましたが、じつは「睡眠は長すぎても短すぎてもよくない」というデータが出ています。統計的にいうと、睡眠時間が5時間、6時間、7時間、8時間で、一番長生きしている人が多いのが7時間という結果※が出たのです。
7時間を目安として、自分に合った睡眠時間を見つけましょう
たとえ6時間でも、8時間でも、よく寝られた、熟睡できたという満足感がある人はそれで構いません。ただし、7時間睡眠にしたときと比較して、7時間のほうがよいと感じたなら、7時間睡眠に切り替えましょう。
逆に、7時間寝ることでコンディションが悪くなるようなら、元の睡眠時間でよいでしょう。それが自分に合った睡眠時間ということなのでしょうから。
睡眠の質を高めるには?
睡眠に関しては、時間だけではなく質も気になるところですが、これは日中の覚醒度に依存します。日中、どの程度活動できているのかが影響するので、運動などで体を動かすことが大切です。
また、寝る時間や起きる時間が不規則だと、当然睡眠の質は悪くなります。海外出張や夜間勤務をした方ならば、日中に眠気を感じるといった経験があるかと思います。良質な睡眠のポイントは朝起きる時間を一定にすること。朝6時に起きるとしたら、7時間睡眠のためには、逆算して夜11時前後には寝ると決めておきます。だからといって、それほど厳格な決まり事にすることはありません。「就寝時間は11時」とこだわるのではなく、10時でも12時でも眠くなったら眠るというのが理想です。
寝つきが悪い、夜中に目が醒めるという人もいらっしゃるでしょうが、朝起きる時間を一定にしてみてください。前日にあまり眠れなかったとしても、30分以上の昼寝はせずに我慢してみてください。すると次の日は早めに眠くなり、ぐっすり眠れます。こうしてリズムを整えてみてください。
※Sleep27巻 51-54ページ 2004年
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14998237