痛みが止まらなくなる悪循環! 頭痛薬の使い過ぎが招く頭痛
3章 頭痛と上手に付き合っていく
コラム:頭痛薬を飲むタイミング
頭痛薬はいつ飲めば効果がある?
- 頭痛がはじまってからすぐ
- 頭を下げたり(お辞儀徴候)頭を振って頭痛が酷くなるとき
- 頭痛のピークになってから
- 頭痛がはじまる直前(いわゆる前兆期)
答え:いずれも正解
頭痛のパターンは千差万別。いつ飲んでも頭痛による日常生活の支障を抑えられるなら良いのです。
一般的に早く飲めば早いほど頭痛を抑える力が強いのですが、片頭痛の特効薬とされるトリプタン製剤は「前兆期に飲む」のと「頭痛が来てから飲む」のでは頭痛が来てから飲むほうが効果的だというデータがあります。
トリプタン製剤以外なら早めに頭痛薬を飲んだほうがいい?
答え:いいえ
軽い緊張型頭痛か分からないような頭痛の時に薬を飲んでいたら、月に15日以上も薬を飲む必要がでてくる人がいます。
鎮痛剤の内服が月に15日以上を3か月も繰り返すと、薬剤の使用過多による頭痛(MOH)になってしまいます。
頭痛のピークまでねばって飲むのがいい?
答え:いいえ
ピークまで粘るとトリプタン製剤こそある程度の効果はありますが、鎮痛剤にいたってはまったく効果が無いことも。
効果の無い薬を飲んでいると逆に片頭痛が長引く結果になり、かえって多くの薬を飲むという結果に。
頭痛薬を軽い頭痛の時点で飲んだり、予兆期で飲む傾向の方にMOHが多い反面、ピークまで粘ったり効かない頭痛薬を飲み続ける方にもMOHは多いようです。
頭痛薬を飲むタイミングと患者さんがどの程度の頭痛を月に何日経験するかは深い関係があります。
月に何日も頭痛で悩まれる方は「頭を下げて頭痛が酷くなるお辞儀徴候」や、「頭を振って頭痛が酷くなる首振り徴候」があってから頭痛薬を飲むのが良いと思います。
月に一日か二日くらいしか頭痛がない方は、さらに軽いレベルの「頭痛がはじまってすぐ」の時か、前兆期に飲むのも手だと考えています。
トリプタン製剤はまずは頭痛が始まるときに飲んでみて、つぎに前兆期に飲んでみてどちらが有効か試みるのが良いでしょう。
月に何日も頭痛で悩む場合、頭痛が始まってすぐ薬を飲んではダメ?
答え:日にちを決めれば飲んでも良い
変な回答ですが、この日は就職試験・面接・発表、デートなど絶対に外したくない日であれば「頭痛がはじまってすぐに」飲んで良いと思います。
それはMOHの方でも、内服日数を制限している期間でも、同じです。
まとめ
有効であるとされる飲み方もありますが、時と場合により頭痛薬の飲み方は千差万別です。
自分にあった有効な飲み方を主治医の先生と一緒に探してみましょう。