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長引く咳で眠れない、目が覚めるなら呼吸器内科へ 治療は途中でやめないで

3章 咳がおさまっても治療を途中でやめないで

咳の治療方法

ドクター

長引く咳の原因になる主な病気について、治療方法を紹介します。

咳喘息

長引く咳の大半を占める咳喘息の治療は、「気管支が細くなる」「外部からの刺激(主にアレルギー)に敏感になる」「気管支に炎症が起きる」という3つの状態に、それぞれ対応する投薬治療を行います。気管支の狭窄に対しては気管支拡張薬、外部刺激(アレルギーの場合)に対しては抗アレルギー薬(ロイコトリエン受容体拮抗薬)、気管支の炎症に対しては吸入ステロイド薬を使用します。ほとんどの患者さんは治療開始から1〜2周間程度で大幅な改善がみられています。

患者さんの中にはステロイドに対して恐怖感や抵抗感を持つ方もいらっしゃいます。しかし、咳喘息の治療に使用する吸入ステロイド薬は内服薬と違って量が少なく、かつ体内に吸収されて全身に影響が出る可能性も非常に低いので、重大な副作用につながる可能性は低いと言えます。炎症をきちんと治して咳を長引かせないため、また咳喘息から気管支喘息に進行させないために、吸入ステロイド薬の治療はなるべく早めに開始し、途中でやめないことが大切です。

アトピー咳嗽

アトピー咳嗽は、咳喘息と同じ症状が出るため見分けづらい病気です。まずは咳喘息と同様に気管支拡張薬を服用してみて、効果が出ない場合はアトピー咳嗽の可能性が高いと言えます。さらに、咳喘息の治療に使用する抗アレルギー薬とは異なるヒスタミンH1受容体拮抗薬、吸入ステロイド剤で咳の発作がおさまる場合はアトピー咳嗽です。

副鼻腔気管支症候群(SBS)

まずは咳喘息と同様の治療(気管支拡張薬、抗アレルギー薬、吸入ステロイド薬)を行います。これで効果が認められず、痰や鼻の症状などからアトピー咳嗽の可能性も低い場合は、レントゲン撮影でいわゆる蓄膿症(慢性副鼻腔炎)があるかどうかを調べます。これでSBSの可能性が高いと考えられる場合は、マクロライド系抗生剤を4〜8週間服用します。

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎の診断に有効なのは、マイコプラズマ抗原を調べる咽頭ぬぐい液による迅速検査です。マイコプラズマ肺炎の可能性が高いと診断されたら、通常はマクロライド系抗生物質による投薬治療を開始します。しかし近年はマクロライド系抗生物質が効果を発揮しないケースもみられ、その場合はテトラサイクリン系抗生物質、ニューキノロン系抗菌薬を使用します。

百日咳

百日咳の治療は、百日咳菌を排出する効果が期待できるマクロライド系抗生物質が第一選択となります。効果がみられない場合はテトラサイクリン系の抗生物質を使用します。乳幼児の百日咳は重症化の懸念があり早期の治療が大切ですが、リン酸コデインなどの強い咳止めを使用すると呼吸停止を招く恐れがあるので、注意が必要です。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の原因は、タバコによって気道壁が刺激されていることだとされているため、治療の第一歩として禁煙を開始します。さらに気管支拡張薬や去痰薬を使用します。痰が減ると咳もおさまってきます。痰を取り除くには姿勢を変えたり胸を叩いたりする方法も有効です。

肺がん

肺がんは大きく分けて非小細胞肺がんと小細胞肺がんがあります。非小細胞肺がんの治療は手術が中心で、進行の段階によっては再発を防ぐための化学治療も行う場合もあります。小細胞肺がんの治療は化学療法が中心で、放射線療法と組み合わせて行う場合もあります。

逆流性食道炎

逆流性食道炎による咳の治療には、呼吸器系の薬ではなくプロトンポンプインヒビター(PPI)を使用して、胃酸の分泌を抑制します。投薬後1週間程度で胸焼けなどの症状が改善しますが、咳が改善するにはもう少し時間が必要になるケースが多く、PPIの服用を継続することになります。

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1章 咳を軽くみていませんか?

2章 咳で耳鼻科を受診していませんか?

3章 咳がおさまっても治療を途中でやめないで

長引く咳で眠れない、目が覚めるなら呼吸器内科へ 治療は途中でやめないで

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