意外と知られていない？？日本脳炎ワクチン接種が推奨されていなかった時期

これまで、日本脳炎の予防接種の歴史の中では、1997(平成9)年にADEM(Acute disseminated encephalomyelitis アデム:急性散在性脳脊髄炎)という事例が報告されました。

ADEMの発症は70～200万回の接種で１回程度、0.4～0.8人/10万人というまれな数字で、予防接種だけが原因で起こるものではなかったのですが、数年にわたる慎重な検討期間を経て、日本脳炎の予防接種が差し控えられた時期〈2005（平成17）年～2009（平成21）年〉があったのです。
その後に定期予防接種が再開されたのは、乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン（新ワクチン）となってからで、2010（平成22）年4月1日以降になります。

今現在も、差し控えられた時期の対象者に情報が十分に伝わっていない可能性は大いにあるため、対象者となる場合は再確認をしてください。疑問点があれば、かかりつけの医師、各医療機関窓口や自治体保健所などに問い合わせをしましょう。