誰にでも起こりうる認知症〜付き合い方を知ってより良い生活を!
3章 コツをおさえて円滑にコミュニケーション
「⾔い争わない・間違いを正さない・理屈をいわない」の3原則
認知症の人と接する際は、以下の3つのポイントを心得ておきましょう。
⾔い争わない
暴力や暴言、徘徊などの周辺行動は、ストレスや不安などが原因で出現することがあります。逆にいえば、認知症の人に穏やかに過ごしてもらうことがそうした言動の緩和につながるのです。無用の争いで相手を不必要に怒らせたり、落ち込ませたりしないよう心がけてください。
間違いを正さない
うっかりミスや見落としなどであれば「それは違うよ」と指摘すれば「ああそうか」と本人も間違いに気づいて納得できます。しかし、認知症の人は間違いに気づいていないのではなく、自分の行動を正しいと思い込んでいるのです。それを否定することは精神的に大きな負担になります。認知症の人は記憶力が低下していても感情面は豊かで繊細です。事実と違っていても頭ごなしに否定せず、受け入れてあげましょう。
理屈をいわない
認知症の人は周囲の現実を正しく認識できなくなってくるため、理屈が通用しにくい傾向にあります。嘘も方便といいますが、その場を収める返事をしたほうが相手の気持ちを良い方向に持って行くことができます。例えば認知症のお父さんに「ご飯を食べていない」と訴えられたとします。「さっき食べたでしょう。おいしいと言って食べていたじゃない」と説明しても、本人の頭の中では食べていないことになっているので納得してもらえません。「そうですね。これから用意します」と相手の話に合わせましょう。
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1章 認知症とは
2章 バランスの良い⽣活が認知症の予防につながる
3章 コツをおさえて円滑にコミュニケーション
誰にでも起こりうる認知症〜付き合い方を知ってより良い生活を!