小児花粉症とは何ですか?
1章 小児花粉症について
第4回「小児花粉症の治療薬について教えてください」
子ども用の薬はありますか?
薬物療法には内服薬と点鼻薬の2種類があります。
成人用には多数のアレルギー治療薬がありますが、小児に保険適応が認められている薬剤は多くありません。
また、薬の量は子どもの年齢によっても違います。
そのため、兄弟で薬の使い回しはしてはいけません。
眠くならない薬はありますか?
花粉症の治療薬(※1)には眠気の副作用がありますが、小児は成人よりも眠くなる頻度、程度ともに軽い傾向があります。
または最近の薬(※2)は、以前と比較して副作用が少なく、眠くならないものもあります。
眠くならないタイプの薬(※3)もあります。
※1 抗ヒスタミン剤
※2 第2世代の抗ヒスタミン薬
※3 抗ロイコロリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬
花粉症は完治するのでしょうか?
アトピー性皮膚炎や喘息が成長とともに自然治癒していくのに対して、アレルギー性鼻炎が自然治癒する確率はとても低いです。
スギ花粉症の自然治癒率に関しては2-9%と報告されています。
薬を服用しない治療法はあるのでしょうか?
「特異的免疫療法」が現在、治癒を期待できる唯一の方法です。
スギの花粉エキスを注射し、症状を抑えていく治療法です。適応は一般的には5歳以上です。
しかし、効果発現までに概ね半年以上かかり、十分な効果を得るためには少なくとも2年以上の継続治療(週1回~月1回)が必要です。
とても手間がかかる治療法ですが、アレルギー症状が約半分になり、約3分の2の患者さんが薬の服用なしに過ごせるようになります。
注意しなければいけないのは、稀に致死的な全身反応が発生することがあるということです。
また、喘息・アトピー性皮膚炎が悪化する可能性もあります。
このように手間と合併症の問題があるため、日本ではあまり普及してはいません。
まとめ
・子どもは成人と比べ眠気の副作用は出にくいです。
・眠くならない薬も存在します。
・花粉症の自然治癒の確率は低いです。
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1章 小児花粉症について
2章 民間療法の効果
3章 ママからの質問コーナー〜アイチケット広場ママからの質問に土井 勝之先生先生が答えます〜
小児花粉症とは何ですか?