我慢は禁物!長引くからだの痛み「慢性痛」
2章 痛んだ時のクリニック選び
クリニックはどう選ぶ?
「辛い痛みをどうにかしたい」と思っても何科を受診すれば良いのか悩んでしまいますよね。
腰痛ひとつとっても、整骨院やマッサージ、カイロプラクティックなどの代替医療まで含めると、選択肢がたくさんあります。
しかし、慢性痛は「生活習慣」や「心や脳」の問題が複雑に絡み合っていることもあるため、ひとつの診療科目の受診では痛みが改善できない場合もあります。
脳の状態が関わる痛みとは?
痛みはからだを守るための危険信号。通常は、傷や病気が治れば痛みも消えます。
でも、身体の異常がなくなっているのに、痛みだけが残ってしまうことも。このような場合は「脳」が影響しているとも言われています。
脳が関わる痛みの代表的な例
●痛みに対して脳が過剰に反応してしまう
本来は痛いと感じないような軽い刺激を「痛い」と感じることも。
なかには、触られただけで痛みを強く感じるようになってしまう人もいます。
●痛みがある状態が利得につながる(疾病利得)
例えば、交通事故のけがで痛みだけが残ってしまうケース。
無意識のうちに「治療が長引けば保険金が多くもらえる」という気持ちが生じることで、痛みが長引くこともあります。
●「不安や悩みから逃げたい」「人の気を引きたい」なども同様です
「友達関係で悩んでいる」、「仕事でストレスを抱えている」という子どもや社会人が毎朝腹痛になってしまう。
これは、無意識の「優しくされたい」「助けてほしい」「特別扱いされたい」という気持ちが、痛みを長引かせてしまうケースです。
これらの痛みは、本人が意識しないうちに生じるため、心のケアも含めた痛みの治療が必要です。
しかし、心のケアまでカバーできない診療科も多く、その結果、レントゲンやMRI検査を行っても「原因不明」と診断されてしまう方が少なくありません。
このような問題を解決してくれるのが、痛みを専門的に治療する「ペインクリニック」という診療科。
次のページでは、ペインクリニックで受けられる治療内容や、受診するメリットなどを詳しく紹介したいと思います。