食べる楽しみが失われる前に! 知っておこう!亜鉛と味覚の深い関係
1章 味覚障害を知る
「亜鉛不足」が原因の可能性がある
味覚には「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」の四つの基本味覚があり、私たち人間は、舌の上にある味蕾(みらい)という細胞で味をキャッチしています。その情報は顔面神経などを介して脳に伝わり、「甘い」、「酸っぱい」と感じるようになっています。
ところが、味を感知する機能や味の伝わる経路のどこかで問題が起こると、味が分からなくなるなどの味覚の異常が生じます。
味覚障害が起こる原因はさまざま
味が伝わる経路に問題が起こる背景は多岐にわたります。亜鉛不足や唾液分泌量の低下などによる「舌のトラブル」、親知らずの抜歯や扁桃の切除施術などによる「神経のトラブル」、ストレスや脳梗塞の後遺症などによる「脳のトラブル」、など、さまざまな背景が潜んでいます。
亜鉛不足が関係している可能性が高い
数ある原因のなかでも、多くを占めているのが亜鉛不足です。亜鉛は細胞分裂に欠かせない栄養素で、亜鉛が不足すると細胞がうまく再生されません。そして、味蕾細胞は体の末端にある細胞なので栄養が届きにくく、亜鉛不足の影響を真っ先に受けてしまいます。亜鉛が不足すると味蕾細胞が生まれ変われず、味覚障害が起こってしまうのです。
食習慣の変化が背景に
亜鉛は、1日3食分の白米を食べれば自然と補えると言われていて、和食が中心だった頃は今ほど味覚障害の人はいませんでした。ところが、近年は食生活の西洋化や外食化により亜鉛が十分に摂れない人や、無理なダイエットにより亜鉛が不足しがちになる人が増えています。食事が楽しめない生活は、文字通り味気ないものです。普段の食事が味覚障害の引き金となることを覚えておきましょう。
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1章 味覚障害を知る
2章 味覚障害を検査する
3章 味覚障害を治療する
食べる楽しみが失われる前に!
知っておこう!亜鉛と味覚の深い関係