ウイルス性胃腸炎に感染したら 「家庭でできる対処方法」
2章 家庭でできる対処法
感染初期の対処方法
脱水症を防げば重症化せずに完治できます
ウイルス性胃腸炎に感染すると嘔吐や下痢が続きますが、脱水症さえ防げれば、ほとんどの場合で重症化せず、自然に完治します。
※脱水症とはどのような状態か
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水分と、電解質(塩分など、健康を維持するために大切な成分)の両方が足りない状態を脱水症と呼びます。 脱水症になると、顔色がわるくなり、目がくぼみ、元気がなくなり、意識がもうろうとしてきます。 |
(1)食欲の有無、水分補給ができるかをチェック
嘔吐や下痢の症状がでていても、本人は元気でいる場合もあります。
食欲があり、水分補給が十分にできていれば心配いりません。
数日見守っていれば完治するでしょう。
●水分補給ができていなければ、脱水症の疑いがある
1~2回の嘔吐や下痢ではすぐに脱水症にはなりません。
しかし何度も嘔吐や下痢をくりかえし、水分補給ができない状態が続くと脱水症につながってしまいます。
●「水分がとれない」「食事ができない」状態ならクリニックを受診しよう
下痢や嘔吐が続くと脱水症となり重症化する恐れがあります。
「水分がとれない」「食事ができない」状態であれば点滴が必要です。
迷わずクリニックを受診しましょう。
(2)水分と合わせて電解質も補給しよう
●嘔吐や下痢をくり返すときに飲ませてはいけないもの
・ただの白湯、お茶
嘔吐や下痢を繰り返し脱水症の疑いがあるときには、ただの白湯やお茶だけを飲ませてはいけません。
嘔吐や下痢で排出された成分(塩分など)も一緒に補給しないと、体内のバランスがくずれ、症状の悪化につながってしまいます。
・牛乳
牛乳を飲ませると、吐き気を促進する場合があります。
※脂肪成分が影響しているといわれています。
●「経口補液療法」で水分補給をしよう
嘔吐や下痢をくり返すときには「経口補液療法」が脱水症予防に効果的です。
医療機関ではこれまで「点滴」による水分補給が主体でしたが、軽度~中度までの脱水症であれば「経口補液療法」で対処できます。
「経口補液療法」は、水分と一緒に電解質も摂取できる療法です。
感染に備えて、実践方法を覚えておきましょう。
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1章 ウイルス性胃腸炎の基礎知識
2章 家庭でできる対処法
3章 ウイルス性胃腸炎の予防方法
ウイルス性胃腸炎に感染したら
「家庭でできる対処方法」