喘息との正しい付き合い方
3章 喘息を上手にコントロールしよう
吸入ステロイドとの付き合い方
現在の喘息治療で基本となるのは吸入ステロイド薬です。吸入ステロイドは、炎症を抑える作用が強くさまざまな病気の治療に使われています。 即効性はありませんが、使い続けることで気道の炎症を改善させ、発作が起こりにくい状態を維持できるようになります。
吸入ステロイドが使われるようになってからは喘息で亡くなる方が減るなど、喘息の治療は大きく進歩しました。
吸入ステロイドは安全なの?
ステロイドと聞くと「副作用が心配だから使いたくない」という方もいるかもしれませんが、喘息の治療に使うステロイドは薬剤が気道に直接届くため、ステロイドの量はごくわずかで全身の副作用が起こる危険はほぼありません。ただ、吸入ステロイドは、吸入する時にステロイドが直接付着する口腔内や喉まわりに、咽頭痛、声がれ、口腔カンジダ(白い口内炎のようなもの)といった副作用が起こる場合もあります。このような副作用は吸入後のうがいや吸入補助器具を使うことで予防できます。
症状がなくなっても薬を続けよう
気道の炎症は症状がない時でも残っているため、症状がなくなっても薬を続けることが重要です。長い間、治療を続けるのは大変ですが、喘息がコントロールできる状態が続けば吸入ステロイドの減量や中止が検討されます。それまでは、生活環境を整えながら治療をしっかり行っていきましょう。
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1章 喘息を正しく理解しよう
2章 喘息は「慢性疾患」です
3章 喘息を上手にコントロールしよう
4章 普通の人と変わらない生活を送るために
喘息との正しい付き合い方