良性発作性頭位めまい症にご用心
1章 めまいの基礎知識
音を感じるだけじゃない-耳の重要なはたらき

末梢性めまいは「耳の内部の器官」で発生した異常が原因で起こります。
めまいを知るために、まずは「耳のはたらき」からみていきましょう。
耳の主なはたらき
耳のはたらきは主に2つあります。
1.音を感じ取る
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耳の奥には蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる器官があります。 この器官は音(空気の振動)を感じ取るはたらきがあります。 |
2.平衡感覚を保つ
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耳の奥には体の傾きや回転を感知する器官があります。 そのおかげで人は平衡感覚(体のバランス)を保つことができます。 この平衡感覚を保つはたらきが、めまいに関わる重要なポイントです。 |
平衡感覚を保つ仕組み
私たちは2つの器官によって、平衡感覚を保っています。
三半規管(さんはんきかん)「体の回転を感知する」

耳の奥にある、半規管とよばれる3つの半円型の管をまとめて三半規管と呼びます。
半規管は、立体的(3次元)に並んでいて、それぞれの管の中は液体で満たされています。
体の回転に合わせ、管の中の液体が動くことで、体がどの方向に回転しているかを感知しています。
耳石器(じせきき)「垂直、水平方向の傾きを感知する」

三半規管は耳石器と呼ばれる器官につながっています。(図1参照)
耳石器には細かい毛(感覚毛)が生えていて、その上に耳石と呼ばれる小さな石が乗っています。
体の傾きに合わせ耳石が動くことで、耳石が動いた方向を感覚毛が感じ取り、体の傾きを感知しています。
以上が耳がもつ重要なはたらきです。それでは、どういう仕組でめまいが起こるのか?
次のページから詳しく解説していきます。
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1章 めまいの基礎知識
2章 良性発作性頭位めまい症の検査と治療
3章 良性発作性頭位めまい症のリハビリテーション
4章 良性発作性頭位めまい症の予防方法
良性発作性頭位めまい症にご用心