4回接種して! 子どもの日本脳炎ワクチン接種を詳しく解説
1章 ワクチン接種前に理解したい!日本脳炎のこと
日本脳炎のウイルスとは?
蚊によって⽇本脳炎ウイルスに感染する病気のことを「日本脳炎」と呼んでいます。なぜ「日本」とつくのか不思議かもしれませんが、日本脳炎となったわけはこうです。
1933年、岡山大初代学長の林道倫が、奇病が流行っていた日本の土地で死亡した患者の脳髄の抽出液を猿の脳に接種し、猿が脳炎になったことから、ウイルスによる脳炎が原因だとわかったことによります。研究者の先駆者が日本人だったために、「日本脳炎」となったのです。
ウイルスと細菌はよく混同されがちですが、大きな違いは2つあります。
- 細菌は自分の力で増えるのに対し、ウイルスは人や動物の細胞に入って増える
- 細菌は抗菌薬(抗生剤、抗生物質)で消滅するのに対し、ウイルスは抗菌薬どころか、効く薬がない
という点です。
日本脳炎ウイルスはフラビウイルス科に属するウイルスの種類になり、発病率は100~1,000人に1人です。しかも、日本脳炎ウイルスに感染してもすべての人が病気にはならず、それほど危機感はないかもしれません。
ところが、ひとたび感染してしまうと⾼熱、頭痛、嘔吐などの症状に突然襲われ、意識障害や麻痺といった神経系の障害を引き起こす可能性があります。急性脳炎になる可能性もあるため、結果として半数以上の人に重度の後遺症が残ったり、死亡してしまったりするケースがあります(致死率は20~40%前後)。
ウイルスに対しては、免疫力を高めることぐらいしか防御方法がなく、ワクチン接種をしてウイルスに抵抗する体にする必要があります。これが予防接種なのです。
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1章 ワクチン接種前に理解したい!日本脳炎のこと
2章 接種は4回必要!子どもの日本脳炎ワクチン
3章 日本脳炎ワクチン接種を推奨していなかった時期があった!対象の人は要確認を
4回接種して!
子どもの日本脳炎ワクチン接種を詳しく解説