誰にでも起こりうる認知症〜付き合い方を知ってより良い生活を!
1章 認知症とは
⽼化による物忘れと認知症の違い
認知症は、何らかの原因で脳の神経細胞が壊れる、あるいは機能異常をきたすことで記憶力や判断力に障害をきたしている状態です。物忘れなどの記憶障害に加えて、感情や行動にも変化が現れ、日常生活や社会生活が困難になっていきます。
ただ、単なる物忘れと認知症は異なります。だいたい40歳を過ぎると「人の名前がパッと出てこない」「昨日食べたものが思い出せない」ということが目立つようになりますが、これは自然な老化現象で問題のないことです。
加齢による物忘れの場合「ご飯を食べたこと」は覚えています。体験したことの一部を忘れているだけなので、ヒントを与えられると思い出すことができます。一方、認知症では食事をしたこと自体を覚えていません。数分前、数時間前に何をしたのか、記憶がすっぽり抜け落ちてわからなくなり、ヒントを与えても思い出せなくなります。よく食事をしたのに「食べていない」と勘違いするのはこのためです。
年齢とともに芸能人や物の名前が出てこなくなることがありますが「昨日はデパートに買い物に行った」といった自分が体験した出来事にまつわるエピソード的な記憶はなかなか忘れないものです。ところが、アルツハイマー型認知症では、初期の段階からエピソード記憶が喪失されます。
今までにないミスやうっかり忘れが増えると「もしかして認知症ではないか」と不安を感じるかもしれませんが、単純な物忘れであれば必要以上に心配しすぎないようにしましょう。
- index -
1章 認知症とは
2章 バランスの良い⽣活が認知症の予防につながる
3章 コツをおさえて円滑にコミュニケーション
誰にでも起こりうる認知症〜付き合い方を知ってより良い生活を!